大学時代の友人



私は就職するときに本当にその会社でいいのか不安でした。就職活動をして就職先が決まったのですが、他にやりたいことがあるのではないかと考えていました。具体的に何かがあった訳ではありませんので、私は就職する覚悟ができていなかったのだと思います。働くということを流れに身を任せて決めてしまったため、葛藤が就職する直前まで続いていました。誰にも相談することができないまま、引っ越しをして入社式の直前になりました。引っ越しをしてから1週間程度では街に馴染もうと散歩を繰り返していたと思います。前向きに頑張ろうという気持ちと、本当にいいのかと言う疑問が頭の中でぐるぐる回っていました。

突然私の中で何かが弾けたのが、入社式の当日です。心がどこかに行ってしまい、入社式に参加することができなかったのです。学校では皆勤賞だった私には信じられない出来事でした。多分、私の心はその会社で働きたくないと思っていたのでしょう。やりたいことが他にあるのに就職したことが苦しかったのだと思います。今考えれば自己中心的な話ですし、周りにも迷惑をかけました。会社からかかってきた電話に出たのは翌日になってからです。内定を取り消してもらい、辞める手続きなどをしてもらいました。そのあとはただその場にいたくなかったため、すぐに実家に帰りました。

その帰る途中で大学時代の友人から電話がかかってきたのです。私は泣きながら友人に事情を説明して、実家に帰る途中だと伝えました。今後どうするかなどは何も決まっていませんが、とりあえず就職はなくなったと伝えました。私の声がいつもと違うために違和感があったのでしょう。友人はいつも以上に心配してくれました。学生時代から腹を割って話せる友人です。電話で私の異変を察知したのだと思います。ただ、電話では何も言いませんでした。私の話を聞いてくれただけです。

友人からの電話を切って、電車に揺れていると眠気が襲ってきて寝てしまいました。実家の近くの最寄り駅について、改札を出るとそこにはさっき話した友人が立っていました。友人は200キロ以上も離れた場所にいたはずです。私は何でと疑問に思いましたが、友人は心配で来ちゃったと言うのです。その言葉を聞いて泣き崩れてしまいました。私の中にあった全てが流れ出すような涙でした。泣き止むと友人は笑顔で30分後には帰らなければならないと言っていました。その言葉を聞いてまた泣けてきて、感謝しかありません。たった30分のためにわざわざ来てくれて、私を励ましてくれたのです。そんな友人に感動しました。



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする