家族の泣ける話

60年後の真実

私は60歳になった時に、自身が赤ちゃんだったときに産院で取り違えられたことがわかりました。

1人の兄と1人の姉と母親という家族構成の母子家庭で育ちました。

中学を卒業してからは、高校に行かずそのまま働き始めました。

父親がいなくて貧乏な家庭だったので、高校に行く余裕がありませんでした。

仕事を転々として、今はトラックの運転手として働いています。

給料は多くはありませんが、食べていくには困りません。

60歳になったある日、私の家に一通の手紙が届きました。

その手紙には以下のように書かれていました。

60年前に産院で取り違えられており、本当は別の家の長男とのこと。

父親は不動産業を営み、裕福な家庭の長男として生まれた。

何らかの理由で産院で取り違えられてしまい、今に至る。

その手紙の送り主は、私の弟と名乗る人物からだった。

自分は不動産屋の長男として、本来は後を継ぐはずだったこと、兄弟は全員大学を出ており、それ相応の仕事に就いていることなども書かれていました。

以前から長男が弟たちに協力的ではなく、容姿も異なることを疑問に思い、自分たちで調べた結果、この事実が判明したとのこと。

自分は取り違えられたせいで、不遇な人生を送ってきたと思っています。

取り違えがなければ、大学を卒業し、親の不動産屋を継いでいたかもしれないし、別のいい仕事に就いていたかもしれません。

でも、今の人生が自分の人生だと思っています。

60年分の時間を取り戻すことはできないからです。

60代になった今、これから地位や名誉やお金を得たいとは思いません。

そのような気持ちを本当の弟たちに伝えています。

今は、弟たちと時々会ってお酒を飲むのが楽しみです。

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