友情の泣ける話

急すぎて、私は怒った。

小学校の6年間も一緒クラスだったN子。ケンカなんか毎日ってほどするけど、
次の日顔を合わせば仲直りしてた。
その時は嫌いだって言ったり思ったりしても、
10分後には謝りたい気持ちでいっぱいだった。
そんなN子は小学校卒業したら北海道へ引っ越すことを卒業式前日に私に言った。
急すぎて、私は怒った。



親友なのに、普通前日に言う!?って、すごく怒った。
あの時のN子はすっごく悲しい顔をしてた。

卒業式当日。私は、まだ怒っていた。
いつものケンカとは違ったからか、私だけが怒っていたからか、
素直になれず、、N子と目が合っても避けるばかりだった。
卒業式が終わって、N子が卒業アルバムを持って私のところに来た。
「メッセージちょうだい?」って。
私は断った。
小学生なりのちっさなプライドが今では大きな後悔。
もう、あえなくなるのに・・・。バカだ。

次の日、N子は始発で発った。

あれから8年。
成人式になって、久しぶりに小学校時代の同級生と会った。
懐かしい友達に会う中、N子だけには会えなかった。
「N子は来ないのかな?」
違う友達に聞いてみると、「N子・・・?あんた、聞いてないの?」って。
鳥肌が立った。
嫌な予感がした。
「亡くなったんだよ」

何度後悔しても、悔やみきれない。
自分を殺したくなるほどだった。

引っ越すことを伝えられないN子の気持ちは、今になってわかるのに・・。
謝っていればよかった。
N子にメッセージかいてればよかった。

その日、久しぶりに卒業アルバムを開いた。
N子の顔を見ると、涙は止まらなかった。

閉じようとしたとき、アルバムの最後のページが目に留まった。
私宛にメッセージを書いてあるページだった。
ひとつずつ、また目を通していると、ページの隅っこにN子の名前があった。
心臓が一打ちした。

「 ご め ん ね 。 」

ただそれだけ書かれていて、私はまた大泣きした。

N子、いまさらだけど、本当に大好きだった。
ほんとうに、大好きだったよ。

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