友情の泣ける話

恩師との永遠の別れ

私はかつて、ある国立大学の大学生でした。

理系の学生だった私、大学3年生になり、配属される研究室を決めることになりました。

情報関連に興味があった私は、情報関連の研究ができる某研究室に配属されることになりました。

そこの教授は、50代後半、白髪頭でちょっと怖そうな人でした。

実際に配属されて、いろいろと話をするうちに、怖そうな人だと思っていた教授は、ぜんぜん怖い人ではなく、非常に話しやすい人だということがわかりました。

大学で研究を終えて、就活をしましたが、教授の勧めもあり大学院に進学しました。

諸事情で別の大学の大学院生となりましたが、その後も、教授との交流は続きました。

卒業して社会人になってからも、時々会って情報交換をしました。

その教授が65歳になり、大学を定年退職することになることを知り、退職祝いをしました。

国立大学を退職した後、私立大学の教授になりました。

その後、メール交換を続けていましたが、自身が仕事がうまくいかなくなり、疎遠になってしまいました。

幸いなことに大学教授の活躍は大学のホームページや学会の活動記録で知ることができていました。

自分が大きく成長をしたら、また連絡を取ろうと決めていました。

交流が途絶えてから数年、ふと気になり、教授が勤務している大学のホームページを覗きました。

探しても探しても、教授の名前が出てこないことに気づきました。

高齢になったので引退したのではないかと思いました。

ところが検索サイトで調べた結果、その教授が逝去されたことがわかりました。

年齢は70代後半、少し早い気はしますが、亡くなる方も多い年齢です。

この時、ずっと連絡を取らなかったことを強く後悔しました。

最後に会った時の後ろ姿に、老人らしさを感じ、寂しい気持ちになりました。

50代の威厳のある姿を知っているから余計にそう思いました。

まだ亡くなってから1年を経過していませんでした。

もう少し経ったら、奥様に連絡を取って香典を渡しに行こうと考えています。

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