家族の泣ける話

【家族の泣ける話】親の知らない所で意外にイイ子に育ってて嬉しかった

年頃なのか最近無口なうちの息子。(15歳)
ある日のお昼過ぎに学校から電話があった。
「息子さんが他のクラスの子とケンカしてケガをさせました。」と呼び出し電話が。

こんな事は初めてだったので慌てて学校へ行きました。

生活指導室へ通されると息子と2人の男の子が座っていました。(DくんSくんとします。)
Dくんは右頬に見事な青あざ、Sくんはこめかみ辺りにガーゼ帯が貼ってありました。

息子はぶすくれて黙ったまま。3人とも何も言わないのでケンカの原因が解らないと先生に言われました。
すると2人の母親も来て一気に蒼然となりました。

S母「まぁ!大丈夫?可哀相に!」

D母「何てことを!お宅はどのような躾けをされてるんですか!?」

私「大変申し訳ありません。今後は無いようにいたしますので…」

先生「あの、まだ一方的に決めつけないで下さい。理由がわからないので。」

S母「理由も何もうちの子はケガしてるんですよ!悪いわけないでしょう!」

D母「うちだってそうです!先生はいじめっこの味方なんですか?」

先生「そういうことではありません。ただ息子くんは理由なしにこんな事はしません。」

S母「先生じゃお話になりません!校長を連れてきて下さい!」

D母「そうよ!校長呼びなさいよ!」

騒ぐ2人を先生が相手されている間に息子に聞きました。

私「ねぇどうしてケンカしたの?何があったのか教えて?」

息子「…何でもない。」

私「無いわけないでしょう。ケガさせておいて…話してちょうだい!」

息子「…むかついたから。」

私「はぁ!?アンタそんな理由でケガさせたの?ちゃんと謝りなさい!」

先生「息子くん。本当に?君が一方的に手を出したのかな?」

D母「先生!本人が認めたのにわざわざ聞くなんておかしくないですか!?」

S母「だから言ったでしょう!この子達は悪くないって!」

2人が責め立て、私は謝り倒し、先生は宥めて、としばらく続きました。

すると急に教室のドアが開き、見るとうちの近所の男の子が立っていました。(Yくん)

先生「Yくん!どうしたの?今自習時間でしょう?」

Y「あの…違うんです。む、息子くんは悪くないんです…。」

少し涙目ながらもはっきりと言いました。急な事で一同シ~ンとなりました。

しかし先生は思い直したように
先生「Yくん。どういう事なのか教えてくれるかな?」

Y「僕…僕を庇ってくれたんです。」

先生「庇う?何があったのかな?」

Y「ずっとDくんとSくんにいじめられてました。クラスの人達は見て見ぬふりで…」

D、S母「うちの子達はそんなこと!」

先生「静かにお願いします。それで?」

Y「はい…お昼にお弁当を廊下に投げられました…それを拾っていたら今度はお弁当箱を蹴られて…。誰も助けてくれなくて…(泣き出す)」

先生「そしたら息子くんが助けてくれた?」

Y「(頷く)一緒に片付けようとしてくれて…そしたら2人が息子くんに絡んで『ゴミに話しかけてどうするんだよ。』って笑ったんです…。そしたら息子くんが『人に向かってそんな事言うな!』って怒って…」

先生「そう。あなたがいじめられてるのを見て怒ってくれたのね…話してくれてありがとう。もう行っても大丈夫よ。」

Y「はい…息子くん、ごめんね…ありがとう」

息子「おぅ…。」

その後はSくん、Dくんが息子に謝罪し、Yくんにも謝って二度といじめないと約束。

お母さん方は少々興奮して何だかんだ言っておられましたが先生が上手く宥めてくれました。
私はケガをさせたことをお母さん方にも子供たちにも謝りました。

するとSくん、Dくんが「俺達が悪かったんです。すいませんでした。」と、謝ってくれました。
ケガをさせた息子はもちろんSくんDくんも夏休みに1週間ほど特別補習となり一件落着。

その日は帰っていいと言われ息子と2人で帰宅。帰り道で色々話をしました。

私「きつく言ってごめんね。」

息子「別に…いいよ。」

私「でも何で先生に言わなかったの?」

息子「先生に言ったらYが余計いじめられると思って…」

私「そっか…何だよ~かっこいいな~w」

息子「うるせーよっ!!あぁ~もう!」

調子に乗って怒られましたが…でも親の知らない所で意外にイイ子に育ってて嬉しかった。息子自慢みたいですいません。

しかも長文で。これで消えます。

失礼します。

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