昔の話なんだけど、私の隣の家におばあちゃんが住んでいた。
おばあちゃんはもうお年寄りであまり動けなくてさ、ずぅとベットにすわってた。
私のおばあちゃんじゃないのに、孫のように可愛がってくれてね。
毎日のようにおばあちゃんの家に行ってはおりがみをしていた。
おばあちゃんは手先が器用だったから色々教えてくれた。
私がおりがみを折るたびにおばあちゃんにおりがみをプレゼントしててね、それをずっと飾っててくれた。
プレゼントするたびにおばあちゃんは、ありがとうって笑いながら言うの。
それがすごく嬉しかった。
でも、私が高学年になるに連れておばあちゃん家に行かなくなったの。
そんなある日、おばあちゃんが亡くなったって言う知らせが来た。
ショックが大きかった。最後にあったのは2年前くらいだったから。
お葬式が終わって数日たって、おばあちゃんと一緒住んでいたおじさんがウチに来た。
これ、うちのばぁちゃんがずっと作ってたんだわ。あの子にあげるって。
それはおばあちゃんが編んでくれた帽子とかマフラーだったの。
ばぁちゃんからの伝言で、おりがみのお礼だって。
これから寒くなるからあったかくしてねって。
もうね、それを聞いた瞬間涙が出て止まらなかった。
だから今でもマフラーは使ってる。
帽子はちっちゃくなっちゃってもう使えないけど(笑)