恋愛の泣ける話

勝てない

勝てない相手。

私と彼は、来月婚約する予定でした。

婚約指輪を買いに行った夜、彼の携帯に連絡がきました。

彼の元カノさんの家族からの電話で、元カノが事故で意識不明だ、という電話でした。
彼は動転していましたが、いまは違う女性と付き合っているので、と断ってくれました。

でも、次の日も、家族から電話がありました。元カノが、彼の名前をつぶやているという話でした。

「行っていいよ」と、私は言ってしまいました。彼は、ホッとした顔をしていました。
そして元カノのいる病院に行き・・・。
夕飯を食べよう、と言っていたけど、夕飯の時間までに帰ってきませんでした。

その夜、電話がきました。電話でも、泣いているのがわかりました。ともかく帰っておいで、と言いました。
これからしばらく通ってもいいか、と聞かれ、言いたいことはいっぱいあるしイライラするし、でも、そんなこと言ったら軽蔑されそうで言えませんでした。

一ヶ月たった頃、元カノが目を覚ましたとの報告を受けました。
もう、元カノのところには行かなくていいんだとほっとしていましたが、帰ってきた彼の顔を見て、愕然としました。。

目は腫れていて、彼はきっと、ずっと泣いていたんだと思います。

そして、「ごめん。ごめん。」をく繰り返しました。
元カノは、記憶に障害があり、彼と付き合っていた一番シアワセな時期で目が覚めたそうなんです。
半身に障害も残り、普通の生活はもうできないとのことでした。

彼は、そんな元カノを見捨てられないと言いました。。

皮肉なことに、その日は婚約指輪ができあがる日でした。1か月前の幸せな気持ちを思い出しながら、あれは夢だったのかもしれない、と思いました。

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