オウムのまいちゃんの家にやってきた、当時まだ子猫だったくうちゃん。
犬の散歩中に道路の反対側で泣いているのを発見したそうです。
すでに家ではオウムのまいちゃんを飼っていた飼い主さんは2人が仲良くできるか不安でした。
猫のくうちゃんがオウムのまいちゃんを傷つけるのではないかと、近づくだけで怒鳴っていました。
ですが、いい意味でくうちゃんはあまり興味を示す性格ではなかったので、まいちゃんを傷つけたりすることはありませんでした。
一方まいちゃんはくうちゃんに触りたくて触りたくて毎日近づいては、くつろいでいるくうちゃんにちょっかいを出します。そんなまいちゃんとくうちゃんのお話です。
最初、まいちゃんはそっと気づかれないようにくうちゃんにタッチして、気づかれたら知らないふりをします。
1年後、つめの先でちょこちょこ触れるようになってきます。
2年後、くうちゃんの名前を呼べるようになってきます。
3年後、くうちゃんカキカキするよー!といって撫でようと構えてはいるものの、なかなか撫でることができません。
4年後、くうちゃんに挑発できるほどちょっと強気になってきました。
5年後、追いかけっこをしたり、絶対当たらないような攻撃をし合う仲になってきます。
6年後、お外に出た時、くうちゃんの逃走防止のリードを積極的に持つようになります。相変わらずカキカキするよー!といいますが、実は自分がしてもらいたいようです。
だんだん距離が縮まった猫とオウムですが、お別れは突然やってきました。汎血球減少症という病気で猫のくうちゃんが天国に逝ってしまいました。
まいちゃんはくうちゃんが死んで、そこにいなくなっても「くうちゃん、くうちゃん」と呼びかけ続けます。いなくなったことに気づいていないのか、ただの口癖なのかわかりません。
そんなまいちゃんに携帯にあるくうちゃんの写真を見せてあげると、それに気づいたまいちゃんは第一声「くうちゃん!」と叫びます。
飼い主さんが「誰?まいちゃんこれ?」と聞くともう一度「くうちゃん!」と呼びかけます。じーっと写真の中のくうちゃんを見つめるまいちゃんは少し寂しそうな表情でそれでもやっぱりくうちゃんに触ろうとしています。
まいちゃんにとっては、写真でもくうちゃんはくうちゃんでした。
まいちゃんは今でも元気に暮らしていますが、いまでもくうちゃんと呼び掛けています。もしかしてくうちゃんが遊びに来ているからかもしれないですね。