スポーツの泣ける話

絶望からの奇跡の復活

2013年、埼玉県坂戸市で、野球部の練習後に帰宅しようとしていた高校生が、OBが運転する車にひかれ、両足切断の大けがをしました。

午後6時半ごろ、淑徳大学のグラウンドに併設された駐車場で、野球部の練習を終えて帰宅しようとしていた淑徳高校野球部の2年の男子生徒(17)が車にひかれました。

車はそのまま壁に衝突して止まりました。男子生徒は両足を切断する大けがでした。

警察は、車を運転していた野球部OBの男子大学生(19)を自動車運転過失傷害の疑いで逮捕しました。

男子大学生は後輩の練習を見にきていて、取り調べに対して「後輩に気づいたがブレーキが間に合わなかった」と容疑を認めています。

それから6年後。

2019年7月23日に開幕した第90回記念選抜高校野球大会を、特別な思いで見つめる元高校球児がいます。

明治大3年、森宏明さん(21)で、甲子園を目指していた17歳の時、事故で両脚を切断したあの元高校球児です。

昨年からパラノルディックスキーを始め、2022年・北京冬季パラリンピックを目指しています。

新たな目標に挑む自分と、球児を重ね合わせ「大舞台を楽しみながら、自分ができる最大限のプレーをしてほしい」と期待を込めています。

野球が好きだった高校球児が、突然両足を失うという悲劇。

彼はそれからどのような人生を歩んだのは知ることができませんが、6年後にパラリンピックを目指すスキー選手となって表舞台に出てきました。

まさに奇跡の復活と言えるでしょう。

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