スポーツの泣ける話

最後の運動会で最後の一等賞

私が小学生のころの感動する話をご紹介します。

小学生ころ、毎年1回運動会がありました。

そこで一番の人気競技は徒競走です。

グラウンドのトラック半周を走って順位を競う競技です。

毎年背の順で6人ごとに走ることになっていました。

でも、身長が同じでも走る速さは人それぞれで、毎年速い人が1位になっていました。

1位と2位は賞状がもらえるので、みんな2位までを目指して走ります。

小学校6年生になったときに、最後だからということで先生方の提案で背の順ではなく、50m走のタイム別でやることになりました。

そうすれば、同じ能力同士の戦いになるため、毎年最下位だった人でも1位になることができます。

それでも、遅い人は本当に遅くて、遅い人のなかでも最下位という人がいました。

その人は太っているので普通の人よりも遅くて、トラック半周くらいの差がついて最下位がほとんどでした。

その年も、有利になったとはいえ最下位は必須という状況でした。

運動会当日、徒競走の時間になり、順番に走り始めました。

いよいよその太った人の組になり、見ている人も「どうせあの子が最下位だろう」と思っていました。

ところが・・・。

上位争いをしていた集団がゴール直前に転倒、それに巻き込まれたその直後の人立つも転倒という状況になりました。

なんと、起き上がろうとしている間に、半周ほど差をつけられていた太った子が走ってきて、その人が1位でゴールをしました。

予想外の展開でみている人たちもびっくりしましたが、みな最後は納得して拍手喝采でした。

彼女にとって、最後の運動会、おそらく最初で最後の一等賞になったはずです。

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