恋愛の泣ける話

新興宗教の信者だった彼女

当時、大学生だった僕は、彼女もおらず一人暮らしの寂しさを紛らわすために、メール友達を探しました。

そのとき、出会ったのが彼女です。

他のメル友はすぐに返事がこなくなってしまう中、彼女は不思議と頻繁に返事を送ってくれました。

積極的で、「メールよりも会って話をするのが好き」と言われました。

そして、実際に会いに行くことになりました。

初めて会う彼女は、髪を長く伸ばした綺麗な女性でした。

年齢は27歳とのことでした。

散歩をしたり、ファミレスで食事をしたり・・・と毎週のようにデートをしていました。

よくよく考えると、付き合ってもいないのにデートをするなんておかしいことなのですが、当時はおかしいとも思っていませんでした。

ある日、話したいことがあると言われました。

実は、彼女はある新興宗教の信者で、修行をしている身とのこと。

もしよかったら、今度道場に来ない?と誘われました。

正直あまり興味がなかったのですが、彼女をがっかりさせたくないという気持ちで道場に行きました。

道場には出家信者がいて修行をしていました。

そう、彼女が信仰していた宗教は、当時、世間をにぎわせていた新興宗教でした。

電話をしたり毎週のように会っていた彼女ですが、ある日、「もう会えなくなる」と言われました。

理由は、警察の家宅捜索などがあり、活動ができなくなったからとのこと。

関わっていると警察の捜査対象になる可能性もあるので、連絡もしないでほしいと言われました。

そして、独身で27歳だと言っていた彼女は、既婚で34歳だと告白されました。

それが彼女との別れでした。

ある日、一人で家の掃除をしていると、彼女から電話がかかってきました。

しばらく連絡できなかったので、気になって電話したとのこと。

自分はもうすぐ大学を卒業して、上京して就職すると伝えました。

彼女から「ずいぶん大人になったね」と言われました。

それ以降、電話をすることも、電話がかかってくることもありませんでした。

彼女のおかげで、女性との付き合い方がわかり、人間として成長できました。

時々、この新興宗教に関する内容がニュースで取り上げられると、彼女のことを思い出します。

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